スノードームと恋の魔法
ふと二階の窓を見上げた所で、はっとした。
ミライちゃんの窓際に立っていた。
誰かと電話をしているみたいだった。
僕が下にいることには気づいていないみたいだった。
何とかして彼女に気付いて貰いたくて、僕は足元に積もった雪で雪玉を作り、彼女のいる窓に向かって投げた。
こつんと小さな音を立てて、雪玉は窓に当たって砕けた。
ミライちゃんははっとした表情で窓を開け、下を覗き込んだ。
手を振る僕に気付くと、「今行くから、ちょっと待ってて」と電話を片手に僕に向かって声を掛けた。
程なくして、玄関からミライちゃんが現れた。
今日来ていた服にフリースを羽織っている。
「ごめん、あんまり話せないんだけど」
申し訳なさそうに彼女は僕を見つめる。
(いや、僕の方こそ急に訪ねて来たりしてごめん)右手を顔の前に添えて、謝るジェスチャーをする。
ううんとミライちゃんは首を横に振った。
玄関の扉を閉めると、扉を背にして僕たちは並んだ。
「わざわざお別れを言いに来てくれたんだ。・・・ありがとう」