スノードームと恋の魔法


水を入れて、蓋を閉めて、中の水がこぼれないように蓋の周りを接着剤で固定する。


即席だったけれど、なかなか様になっていた。


「この雪ダルマ、赤い手袋をしてるんだね。もしかして、昼間、私が作ったやつ?」


ミライちゃんはフフと笑い声を上げて、暫くそのスノードームを玄関の灯りに照らして眺めていた。


「すごくキレイ・・・ありがとう、大切にするね」


そして僕に向かってにっこりとほほ笑んだ。




それが僕が見たミライちゃんの最後の笑顔だった。


帰り道は振り返らずに家まで走って帰った。


雪はとっくに止んでいたのに、僕の視界は滲んでいた。


強くなりたいと思った。


息を切らして、湖畔を駆けた。


呼吸が苦しくなると、悲しさは少し忘れられるような気がした。


月灯りに照らされて、湖の上にミライちゃんの作った雪ダルマが立っていた。


ミライちゃんが残していった赤いミトンの手袋は何故か片方、なくなっていた。


ミライちゃんと同様、この雪ダルマもどこかに片方を置いて来てしまったらしい。


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