スノードームと恋の魔法
わずかな隙間から目を凝らしていると、お家の中から男の人が出て来た。
もこもこした暖かそうな服を着て、小脇に何冊も本を抱えていた。
転ばないように足元に気を付けながら、男の人は森の中に見えるここより大きなお家に向かって歩いて行った。
男の人が大きいお家に入ったのを確認して、ボクは床下から這い上がった。
体に付いた雪を落とし、お家を見上げる。
入口のドアが僅かに開いていた。
知らないお家に勝手に入ってはいけません。お母さんがよく言っていた。
でも、覗く位なら・・・ボクはまたまた好奇心に勝てず、部屋を覗いてしまった。
ふわりと暖かい空気が鼻先を掠め、ボクは思わず一歩、部屋の中に足を踏みいれてしまった。
目の前にあるストーブの中でぼぅぼぅと炎が燃えていた。
ストーブの上にはヤカンが乗っていて、しゅーしゅーと湯気が立っていた。
明るい室内は木の香りがした。
ストーブの近くには大きな机がでんとあって、広い机の上にはまんまるのガラス玉や小さな人形が置いてあった。
たくさんの物がごちゃごちゃを机の上を埋め尽くしていたけれど、ほとんどのものがボクが初めて見るものばかりで、何に使うものなのか全く解らなかった。
四角い部屋を囲うように棚があった。
難しそうな本が並んでいる。