スノードームと恋の魔法
ボクは猫舌なので、ふぅふぅと吐息で冷ましながらミルクを飲んだ。
お兄さんはそんなボクの様子を嬉しそうに眺めていた。
「ここでお兄さんは何をしているの?お兄さんが本当に住んでいるお家は、むこうにある大きな木のお家なんでしょう?」
ミルクでお腹が温まったボクは、机の椅子に座ってコーヒーを飲んでいるお兄さんに質問をした。
「ここは僕のアトリエなんだ」
「アトリエ?」
「僕はここでスノードームを作っているんだ」
そう言ってお兄さんは、ガラス玉を掲げた。
「お兄さんはスノードームが作れるの?」
「まあね」とお兄さんは照れたようにコホンと咳をしながら答えた。
「子供の時に好きな女の子に手作りのスノードームを上げたことがあって、そこからスノードームを作るのが楽しくなっちゃって」
「へぇ、お兄さんの作ったスノードームはどこにあるの?」
僕は後ろの棚を振り返った。
「残念なことに僕の作ったスノードームは手元にはないんだ」
お兄さんは申し訳なさそうな顔をした。