スノードームと恋の魔法
「もう帰るのかい?」
「本当は外に出ちゃダメって言われてたんだけど、内緒で出掛けて来ちゃったんだ。お母さんに怒られる・・・」
君ってやんちゃなんだなぁとお兄さんは優しく笑った。
「ねぇ、またここに遊びに来てもいい?」
帰り際、扉の前で振り返り、お兄さんに訊ねた。
「もちろん。ただし、今度来る時はノックしてくれよ」
えへへと笑いながら、ボクは頷いた。
お兄さんはボクに手を振りながら、最後まで笑顔だった。
それから猛ダッシュ家に戻った。
本当はダメだって言われてた湖の上を突っ切り、垣根を越え、不法投棄のゴミの雪山を脇を滑るように駆け降りた。
間一髪、お家に着いた時にはまだお母さんとお姉ちゃんは帰っていなかった。
ボクは息を切らして、子供部屋に戻る。
部屋を出て行った時と同じような恰好でゴロゴロしていたお兄ちゃんが鼻をひくひくさせて、ボクを見た。
「おい、どこかに行ってたのか?変な匂いがするぞ」
「え?そうかな?」