スノードームと恋の魔法
「今日ね、ボク、実はね、お姉ちゃんが出かけている間に湖の先まで行って来たんだ」
いきなりのボクの告白に、お姉ちゃんは上半身を起こして振り向いた。
「お母さんにあれだけダメって言われたのに」
お姉ちゃんは呆れたようにボクを見た。
「うん、ゴメンなさい。それは謝るとしてね、湖の向うにはお家があったんだ。木できた立派なお家だよ」
「それって、まさか・・・」
お姉ちゃんがつぶらな瞳をまあるくした所で、ボクはこくんと頷いた。
「お家の中にはね、お兄さんがいたんだ」
勝手に家の中に入ったなんて言ったら、お姉ちゃんがもっと怒りそうなので、そこは秘密にしておいた。
「すごく、優しいお兄ちゃんだった。また遊びに来てもいいって」
「あなたが優しいお兄さんに会ったのは解ったわ。で、何が言いたいの?」
うんとボクはひと呼吸置いて頷いた。
「お兄さんのアトリエにもラジオがあったんだ。もしかして、お兄さんだったら、壊れたラジオを直せるかもしれないよ」
「本当に?」
お姉ちゃんの瞳がキラキラと輝き出した。期待に満ちた目でボクを見る。
たぶん・・・と付け足して、ボクは頷いた。