スノードームと恋の魔法


「お兄さんどこに行ったの?」


不思議そう窓の外を眺める。


「ボクたちにミルクを持って来てくれるってさ」


ふぅんとお姉ちゃんは頷くと、踵を返して部屋の中を見渡した。


そういえばと思い出し、ボクはお姉ちゃんの後を追った。


「前にラジオで言ってたよね?・・・スノードーム」


それがどうしたの?と言わんばかりにお姉ちゃんはボクを見ていた。


ボクは部屋の奥の棚から1つ、スノードームを取り出した。


「このガラス玉がね、スノードームって言うんだって。見てて」


前にお兄さんがそうしてくれたみたいに、ボクはスノードームを逆さにして、元の位置に戻した。


小さなガラス玉の中で、粉雪が舞う。


「うわぁ」とお姉ちゃんは小さな声を上げた。


素敵ねとボクの手からスノードームを受け取り、覗き込む。


「小さな雪の世界だよ。お兄さんのお爺さんが世界を旅して集めたものなんだってさ」


へぇ、すごいねとお姉ちゃんはスノードームを両手に包んだまま、たくさんのスノードームが並ぶ棚の前に立った。


「キレイね」


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