スノードームと恋の魔法
「そうか、大切に受け継がれているんだね?」
うんとボクが頷くと、お兄さんは満足そうにそれはよかったと頷いた。
しゅーしゅーとストーブの上のやかんが蒸気を出している。
少しの沈黙。
ラジオから、お姉ちゃんと寝る前に聴いた冬の歌が流れている。
ふんふんと口ずさんでいると、
「この曲知ってるの?」とお兄さんに訊かれた。
「ラジオからよく流れてくるから、流行っている曲なのかって思って」
「今年の曲ではないけれど、冬の曲の定番ではあるかな?この曲好き?」
うんとボクは頷いた。
そうか、僕も好きだなぁってお兄さんも賛同する。
そういえば、お兄さんと初めて会った日も、この曲がラジオから流れてて、お兄さんはこの曲を口ずさんでいたっけ。
ボクが続けて歌っていると、隣に座っていたお兄さんがよいしょと腰を上げた。
お兄さんは作業台の引き出しの奥をごそごそして、「あった!」と嬉しそうな声を上げた。
「何があったの?」