スノードームと恋の魔法


お母さんはきぃぃと唸った。


怒ってしまったらしい。


太い尻尾を上下に動かし、ぐるぐると部屋を歩く。


どうしたらお母さんの機嫌が直るのかな?せっかく友達になったのに、お兄さんに会いに行けなくなるのは寂しい。


♪ ♪ ♪ ♪


突然、洞穴の中に音楽が響き始めた。


優しいオルゴールの音。


お姉ちゃんが陰から出て来て、ボクとお母さんの間にちょこんとスノードームを置いた。


お兄さんからボクへのクリスマスプレゼントのスノードームだった。


「これは何なの?」


お母さんは訝しがりながら、スノードームに近づく、くんくんと鼻先で匂いを確かめている。


「スノードームだよ。お兄さんが作ったんだ。ちょっと、見てて」


ボクはガラス玉を持ち上げ、スノードームを振った。


ガラス玉の中で雪と星がひらひらと舞う。


お母さんは少女のような眼でじっとスノードームを眺めていた。


「こんなステキな世界を作ることが出来るヒトが悪いヒトだと思う?」


< 76 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop