スノードームと恋の魔法
お母さんはきぃぃと唸った。
怒ってしまったらしい。
太い尻尾を上下に動かし、ぐるぐると部屋を歩く。
どうしたらお母さんの機嫌が直るのかな?せっかく友達になったのに、お兄さんに会いに行けなくなるのは寂しい。
♪ ♪ ♪ ♪
突然、洞穴の中に音楽が響き始めた。
優しいオルゴールの音。
お姉ちゃんが陰から出て来て、ボクとお母さんの間にちょこんとスノードームを置いた。
お兄さんからボクへのクリスマスプレゼントのスノードームだった。
「これは何なの?」
お母さんは訝しがりながら、スノードームに近づく、くんくんと鼻先で匂いを確かめている。
「スノードームだよ。お兄さんが作ったんだ。ちょっと、見てて」
ボクはガラス玉を持ち上げ、スノードームを振った。
ガラス玉の中で雪と星がひらひらと舞う。
お母さんは少女のような眼でじっとスノードームを眺めていた。
「こんなステキな世界を作ることが出来るヒトが悪いヒトだと思う?」