スノードームと恋の魔法
拾ったものの、どうやって声を掛けたらいいんだろう?今更、拾ったことを後悔した。
考えながら歩いていたら、前をよく見てなかったらしい。
前から人がぶつかってきた。
どんと右肩に衝撃があり、僕は思わず、持っていた甘酒を落としてしまった。
「あ~」
声が上がり、びくりと体が強張った。
しまった。
甘酒がぶつかった人の履いていたブーツにかかってしまった。
「うわっ、最悪。買ったばっかなのに・・・何すんだよ!」
変声期に入りたてのような微妙な声質は同年代位だろうか?身長は僕よりも高かった。
口調に怒りが混じり、ぐっと胸倉を掴まれて、冷や汗が出た。
ぱくぱくと口を開けたまま、声は出なかった。
「何か言えよ。マジ、このブーツ高かったんだけど?どうしてくれんだよ」
ぎろりと飛び出た眼に睨まれ、僕はますます萎縮した。
泳いだ視線の先にいた、彼の仲間がにやりと笑って僕を見る。
「マサオくん、こいつ例の転校生だぜ?ほら、覚えてる?両親が死んじゃったとかでアルル爺の所に引き取られたって言ってたろ?全然喋らねぇから、マサオくんがからかったら、お漏らしして学校来なくなった・・・」