スノードームと恋の魔法
「あぁ」
と僕の胸倉を掴んだままのマサオくんは、思い出したのか声を上げた。
同時に僕もあの日の記憶が鮮明に蘇る。
よりによって一番会いたくない奴に会ってしまった。
にたりと嫌味たっぷりに笑うと胸倉を掴んでいた手で、僕をドンと突き飛ばした。
油断していた僕はそのまま尻餅をついた。
相変わらず周りは人で賑わっていて、誰も僕のことなんて気にかけてくれない。
立ち上がり、お爺さんを探したけれど、確認は出来なかった。
「学校来ないから死んだかと思ってたけど、生きてたんだ・・・ま、俺らにとっちゃどうでもいいんだけどさ」
マサオくんは隣にいる友達と笑い合う。
僕は甘酒のかかったマサオくんのブーツをじっと見つめていた。
あいにく、汚れを拭うようなものを持っていなかった。
「クリーニング代払えよ」
マサオくんが手を出して、出せよ、金とそこを強調して、僕を睨みつけた。
金と言われても、お賽銭代くらいしか持っていないのにどうしたらいいっていうんだ。
僕は困っていた。
「何か言えよ!そういう態度がムカつくんだよ」