スノードームと恋の魔法
少し歩いただけなのに、もう息が切れてきた。
はぁはぁと白い息を弾ませて前に進む。
その間も雪は音もなく、空から降ってくる。
鈍色の空を眺めた。
音のない世界。
自分の息遣いだけが聞こえてくる。
まるで、現実とは違う仮想空間に迷い込んでしまったような気持ちになる。
針葉樹の並木道は果てしなく続いていて、終わりなき道をぐるぐると歩かされているのではないだろうか?
足場の悪い雪道を歩きながら、バカなことを考えていた。
どさり
針葉樹の枝に積もった雪が重みで落ちて来たらしい。
大きな音に我に返った。
ひたすら前に進んでいると、やがて並木道の終わりが見え、開けた雪原に出た。
そこだけぽっかりと穴が空いたように雪原が広がっている。
大きな弧を描くように、雪原の周りが森になっていた。
奥に連なる山々も雪化粧に覆われ、空と一体化して見えた。