スノードームと恋の魔法


視界の先に小さなロッジが見えた。


雪原の真ん中に立つ小さな家の屋根は雪で覆われていた。


ゴールが見えて、萎えていた気持ちに再び火が付いた。


雪の中をウサギのように飛び跳ね、目先の家へと急ぐ。




ザック ザック ザック


何かを掘るような音が聞こえ、顔を上げると、小さな家から数メートル離れた所に建つ大きなロッジの前に人がいた。


ニット帽にスキーウェアのような服に身を包んだその人は、家へと続くロッジの階段の下で懸命に雪かきをしていた。


「あの、すみません」


思い切って近づき、作業中の後ろ姿に声を掛けた。


雪かき用のスコップを動かしていた背中がぴたりと止まり、こちらを振り向いた。


その人は、驚いたような表情をした後で、にっこりと微笑んだ。


寒くてすっかり凍ってしまった心を、溶かしてくれるような温かい笑みだった。


「スノードームアーティストのeternal(エターナル)さんですか?」


そう訊ねると、


< 82 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop