スノードームと恋の魔法


その記事を何回も読み返し、彼のついて調べていくと、ますます彼の才能と数奇な運命に嵌っていった。


企画書が通り、彼へのインタビューがやっと決まった。


初めての大きな仕事に緊張している私がいる。




「eternalさんの作品は___」


「あぁ、アトリエにあります。ここに来る前に小さなロッジがあったでしょう?あそこをアトリエにしているんです」


資料に目を通し終えると、彼はテーブルの上にそれらを置き、微笑んだ。


「あの、失礼ですけど・・・」


言葉に詰まりながらも、彼の背後にある手製の棚に視線を送った。


棚の上には真っ白な頭に頬中に真っ白なヒゲを蓄えたお爺さんがにっこりと微笑む写真と、そのお爺さんと腕を組み、パリの凱旋門の前で微笑むお婆さんの写真。


そして、お爺さんによく似た若い男の人と、キレイな女の人、腕には赤ちゃんを抱いている写真が飾ってあった。


写真の両脇には、丸いスプレー咲きのマムが活けてある。


それと、写真の前にはスノードームが飾ってあった。


「あぁ、一応、仏壇の代わりというか・・・」


ちらりと私の視線を追って、穏やかな笑みを浮かべながら、彼は答える。



< 87 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop