スノードームと恋の魔法


そう言いながら、彼は着こんだダウンジャケットを再び脱ぐ。


私は頷き、1人先にアトリエに向かうことにした。


「アトリエへと続く橋、滑りやすくなってるんで気を付けて下さい」そう注意を受け、私はロッジの扉を閉めた。




相変わらず、雪は深々と降り続いている。


折角、彼が雪かきしたステップもうっすらと新しい雪が積もり始めていた。


白い息が空に消えていく、足元に注意しながら、アトリエへと向かった。


アイスバーンになっている橋をつるつると滑りながら渡り、扉の前に立った。


屋根の上に積もった雪からは氷柱がぶら下がっている。


アトリエの中に入ると、冷たい空気と木の匂いを感じた。


何だか、懐かしい匂い。


電気の位置を確認し、スイッチに手を伸ばす。


チカチカとしながら数秒後に蛍光灯が点いた。


履いていたブーツを脱ぎ、ステップを上がる。


部屋の中心に大きな作業用の机がある。


机の上にはスノードームの中の背景の影絵を製作中なのか、何種類ものカラーフィルムが重なっていた。



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