スノードームと恋の魔法


ここが、彼独特の世界を生み出す場所なんだ。


部屋の中心に立ち、ぐるりと見渡した。


壁は3面に棚が並んでいる。


彼の作品が並んだ棚と、彼のお爺さんのスノードームのコレクションの棚、それに彼のお爺さんとお婆さんの写真やお爺さんの遺品の棚。


彼の作品は、個展を開いた時よりもずっと数が増えていた。


1つ1つを手に取り眺める。


作品を作り始めた時から現在までの作品がずらりと棚に並んでいた。


その棚に彼の歴史が詰まっていた。




♪ ♪ ♪


どこからかオルゴール音が聞こえ、顔を上げた。


静寂の世界に響く優しい音色、何年も前に流行った冬を代表するポップミュージックだった。


どこから聞こえてくるんだろう?


耳を澄まし、音が聞こえて来る位置を確認する。


どうやら扉の外からみたいだった。


ブーツを履き、扉を開く。



< 93 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop