スノードームと恋の魔法
キツネと友達という彼がプレゼントしたものなのかな?いやいや、そんなことがあるはずがない。
頭の中でそう思うものの、さっきのキツネを追ってみようと、スノードームをコートのポケットにしまい、キツネが残していった痕跡を追う。
真っ赤な毛糸は雪の上に、足跡と一緒に伸びていた。
橋を渡り、右の方向へ____毛糸と足跡は森を囲むぽっかりと開けた雪原の中へと続いていた。
確かここは元は湖だった?
足場を確かめながらおそるおそる湖上に立つ。
毛糸と足跡は湖上を突っ切るように中心部に向かって伸びていた。
湖上の端から3分の1位まで来た所で、毛糸の塊が落ちているのを見つけた。
どうやら、キツネはポシェットをここで捨てていったようだ。
足跡はずっと遠くまで転々と続いていて、かなり広大な湖なのに、姿はもう見えなかった。
キツネを追うことを諦めて、雪の上に落ちたポシェットを拾う、随分くたびれてヨレヨレになったポシェットだった。
アトリエに戻ろう。
深く白い息を吐き、踵を返した所で、目の端に別の赤を捉えて振り返った。
雪の上に雪ダルマが立っていた。
石や木の枝で作られた簡素な顔に、片方の手には真っ赤な手袋をしていた。