スノードームと恋の魔法
これって、もしかして・・・
「ミライちゃん____」
ふいに後ろから声を掛けられ、振り向いた。
そこには彼が立っていた。
その手には橋の上から続いていた毛糸を手繰り寄せてできた、小さな毛糸の玉を持っている。
「・・・って名前じゃなかったんだね、本当は」
少しはにかんだように、優しい笑みを浮かべる。
その瞬間、懐かしい思い出が走馬灯のように駆け巡る。
大晦日の夜、神社の境内へと続く提灯、甘酒の匂い、少し怯えたような表情の男の子。
晴れた日、積もった雪に反射して光る氷の粒、曇ったガラス窓から見えた驚いたような男の子の表情。
始めて見たたくさんのスノードーム、2人の時間、ストーブの上のヤカンの蒸気、甘くて温かいココア。
親指と人差し指で四角いフレームを作って、切り取った空、深々と舞い落ちてくる雪、2人で寝ころんだ凍った湖の上。
ここに来るのは今日で最後だと告げたら君は少し泣いた。
私はそれを気付かないふりをしてたんだ。