スノードームと恋の魔法


最後の夜に、君が訪ねてきて、くれたスノードームを私は今でも大切に持っている。


「あなたの名前は何て言うの?」そう訊ねたら、君はそっと私の手を取って、手のひらに人差し指で名前をかいた。


・・・トワ


永遠(トワ)それが彼の名前だった。




「君のお爺さんが、君のことミライって呼んでたから、すっかりそれが名前だって信じ切っていたんだ」


「未来(ミライ)って書いてミクと読むの。ミライはあだ名だったの」


今は疎遠になってしまった母方の祖父は、いつも私をミライと呼んでいたのを思い出した。


「ねえ、いつ私だって気付いたの?」


さっきまでよそよそしい態度を取っていた自分を思い出すと可笑しくなり、お腹を抱えながらそう訊ねた。


「名刺をもらった時に未来って文字に反応して、それで話している内に何となく懐かしい気持ちになって、お爺さんの話をしている時、まるで僕のお爺さんを知っているような感じだったから・・・」


「そう」


大好きだった永遠くんのお爺さん、不慮の事故で亡くなっていたなんて信じられなかった。


白いヒゲを蓄えて、永遠くんと同じようににっこりと微笑む優しくて、料理の上手なお爺さんだった。


いつの日か、永遠くんは留守番で、私とお爺さんで買い物に出かけたことがあった。



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