スノードームと恋の魔法


「あの子の友達になってくれてありがとう。おかげで、あの子は明るくなった」


そんな風にお礼を言われてすごく嬉しかったのを思い出した。


もういないなんて・・・思い出すとじわりと瞼が熱くなる。


「永遠くんの声は、いつ戻ったの?」


子供の頃の永遠くんは、原因不明の失語症で話せなかったはずだ。


会話をする時はスケッチブックにクレヨンで話したいことを書いていた。


「不思議な話なんだけど、初めはキツネの子供と会話が出来るようになったんだ。そのキツネと話をしている内に、自然と声が出るようになってた。お爺さんもびっくりしてたよ」


「永遠くんの声、初めて聞いた。思った通りの優しい声だった」


そして私たちは向かい合い、照れながら笑い合った。


私が手にしたキツネのポシェットに気付いた永遠くんは、


「ねぇ、今、未来ちゃんが持ってるものの正体が何だか解る?」


と訊ねて微笑む。


え?これ?キツネが落としていったポシェットじゃないの?


怪訝な顔をしていると、永遠くんはあははと笑い声を上げて、後ろに立つ雪ダルマを指さした。


「ヒント、あの雪ダルマの手に嵌めているものは、何でしょう?」



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