にゃんこ物語り1~えりなちゃんとシロ~
えりなちゃんが寮に入ってからしばらくは、とても寂しかったけど、今はだいぶ慣れてきたわ。
えりなちゃんの家に行けばママがご飯をくれるし、町内にもご飯をくれる家があるし、空地にはよくタロー君がにぼしやかつお節を持ってきてくれるから。
タロー君は近くの高校に通いはじめたみたい。タロー君とは話せないからよくわからないけど、よく学生服で通学カバンを持ったタロー君をよく見るの。

そういえば最近猫としか話してないわ・・・、まぁ えりなちゃんと出会うまではそれが普通だったんだけどね。
それに最近ちょっと歩くとすぐ疲れちゃうし、前までジャンプして上がれてた塀も、最近は体が重くて上がれないわ。
いろんな人にご飯をもらうから、太っちゃったのかしら・・・?
猫は服を着ないし、普段から歩き回ってるから、人間みたいにダイエットしないでいいけどね。
そのてん、人間はたいへんね。この前なんて商店街で、ムリをして履いたズボンのボタンを飛ばしてるおばちゃんがいたわ。
おばちゃんは大笑いしてたけど、あれは照れ隠しね。
別の日には“めたぼめたぼ”って言われてるおじさんも見たわ。『付き合いがあるから仕方ない』って言ってたけど、あれは言い訳ね。
また別の日には、ご飯を食べるのを我慢して倒れちゃった女の子もみたわ。『やせないと彼に嫌われちゃう』って、あれは馬鹿ね。健康あってこそのことなのに、倒れちゃ元も子もないわ。それにご飯のありがたみを分かっていないわね。
そういう子は一度野良になってみれば、ご飯のありがたみがわかるってもんよ。
そんなこと言ってるわたしも、最近はよくご飯を残しちゃうのよね。
もう若くないってことかしら。
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