にゃんこ物語り1~えりなちゃんとシロ~
普段ならトリミングには時間がかかりますが、この日は幸い予約のお客さんも少なく、小さな犬の飼い主さんは、待合室の椅子に座る間もなく トリマーのお姉さんに犬をあずけた。

「あら、リエちゃん!大きくなったわねぇ」

「おばさん!お久しぶりです、あれ?おばさんちってペットいましたっけ?」

「最近猫を飼い始めたのよ。今日は予防接種をしてもらいにきたの」

「この子?うわー、真っ白!立派な猫ちゃん、にゃんにゃん」

「にゃ~ん」

「お返事してくれるの?」

「にゃ~ん」
早く帰りたいわ。

「さ、お仕事に戻らないとね。えりなちゃん、暇じゃない?よかったら仕事、見にこない?」

「そうよ、えりなちゃん、見せてもらってきなさいよ」

「でも、えりななんかが行って、お邪魔じゃないかしら?」

えりなちゃんは、少し興味がわいたので、実際見てみたかった。
リエさんは、とても感じの良い人のようだったのもあるが、とりあえず もう 見てみたくて仕方なかった。

「忙しい日はトリマーだけで3人いるんだけど、今日はそんなに忙しくないし、2人しか出勤してないから。ちょっと手伝ってもらおうかなー」

「そうよ、マリンちゃんなら問題ないわ!ねぇ、マリン」

あの小さな犬はマリンちゃんという名前らしい。

「キャンキャン」
シャンプーシャンプー!

「にゃー!」
あの犬、シャンプーされるのを喜んでるわ!
信じられない!

「さあ、えりなちゃん、行きましょう」

「あ、はい!」

「にゃ~ん」
いってらっしゃーい

「猫ちゃんも来る?(笑)」

「フーッ!」
冗談じゃない!

「いやよねー。わかってるみたい(笑)」

「ふふふっ。シロはシャンプーが大嫌いなんです」

「猫ちゃんは濡れるのも嫌いなのよね」

えりなちゃんはリエさんについて、トリミング室に案内されました。
そこには、大きくて深い シンクのような浴槽や、スタンドライトのようなドライヤーがありました。
どれもはじめてみるものばかりで、やっぱり 人間の美容室のような場所ではありませんでした。
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