虹の架かる橋
朝、マサが起こしに来た。


私はもう起きていた。


「ケイ、成人式何時から?」


「行かないよ。成人式。」


それを聞いてマサは怒った。


だけど、それでいい。


「私がしたい事をするよ。後悔はしないって思うから。」


マサは私の決意の強さを解ったらしく、説得を諦めた。


そして、「解った」って言った。


私はそのマサの一言が、なんだか凄く嫌なことをしているように思えた。


だけど、見送りをしたいんだ。





そしてマサは私を抱き寄せた。


「これ以上、俺を好きにならない。って言って……。」


涙が出そうになった。


だけど、必死にこらえた。


泣かない約束だもんね…。


「無理だよ。私はマサをどんどん好きになっていくから。これ以上って以下がないから…。」


そして、長いキスをした。






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