虹の架かる橋
ミーの家は、近所一帯の地主でお金持ち。


もちろん家も大きくて、今歩いている庭もかなりの広さがある。


マサが日本を出て、まだ5日しか経ってないのに、ミーを海外にすぐに行かせてくれる財力のある家庭がうらやましく思えた。


ミーのお母さんが、私を見ながら「ミーちゃん昨日ニュージーランドに行ったのよ。突然ロンドンの友達の所に行くからって」と軽々しい口調で言った。


私は「そうですか」と答えて、玄関から向きを変えて門の方へ歩き出した。


手紙は本当だったんだ…。


門を出て、ミーのお母さんに軽く会釈をして車に乗り込んだ。


なかなかエンジンを掛ける気分になれない。



何も考えられないし、何をしていいか解らない。


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