虹の架かる橋
私は不安を振り払いながら、勇気を振り絞ってマサに電話をした。


海外特有のコール音が鳴り、緊張感が増した。



そして、「HELLO」とマサのホストファミリーが出た。


私は慣れた「マサは居ますか?話たいのですが」と英語で言うと、「あら、ケイね、元気?ちょって待ってね」と英語で言われ、マサが受話器に出るのを待った。


少し待つと、受話器の向こうで階段を駆け下りる音が聞こえた。


もうすぐマサが受話器に出る…。


私の心臓は異様ほど緊張している。


そして「おう、お待たせ」とマサの声が受話器の向こうから聞こえた。


「うん、待ったよ」
と私は冗談っぽく言った。


緊張が電話の向こうに聞こえてしまうんじゃないか、と心配した。



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