虹の架かる橋
夜空を見ながら私は、今までの事を思い出した。


長く切ない道を、歩いて来たように思えた。


今まで生きてきた中で、最愛の人と出会えた喜びを味わえた分、終わってしまってからのつらさも最大だった気がする…。


好きだから、思い出に出来なかった時間。


何度、ケジメを付けようと思っても、付けられない程のマサへの気持ち。


愛しいと、思ってしまう。

何年経っても変わらない気持ち……。


私はもう、他の人を愛せないと思ってしまうくらい、私自身、マサを求めていた。


そのマサが、私の目の前に居る……。


さっき抱きしめられた感触が、私の身体を包み込んでいる。


ねぇ、マサ…?


私は貴方に、離れていた時間の分の気持ちも含めて、素直になっていいですか……?


マサを、心の底から愛してるって、声に出してもいいですか…?


< 285 / 305 >

この作品をシェア

pagetop