虹の架かる橋
「ケイは、なんでNZに来たの?」


マサは優しい口調で言った。


本当の事を言うか、かなり迷った。





そして、マサに今までの事を、一つ一つ話し始めた…。




連絡が急取れなくなって、眠れない日々が続いた事。




マサを忘れられないでいる、時間に私は色々と後悔した話。




あの時、NZに行ってれば……と、ずっと思っていた事。




話しをしているうちに、涙が溢れ出して、しゃべれなくなった…。





当時の感情が込み上げてくる…。




マサ無しでは、生きていけない、とまで思っていた、自分の気持ち。




私はマサの事を想って、何度泣いたのだろう…。





まだまだ、涙は止まる気配をみせない。



「ごめん、涙が止まらない……。」
私は、細く小さな声でマサに言った…。





マサは、無言で抱きしめてくれた……。





7年という月日が、私自身を素直にさせてくれるように思えた…。




今まで沢山、我慢した自分とは違う自分になった気がした……。



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