虹の架かる橋
私は高校の頃、お好み焼き屋さんでバイトをしてた。

だから、お好み焼きは大好きだし、焼くのにも自信がある。


ある意味ユリに、唯一勝てる事かもしれない。


「私が、美味しく焼いてあげるよ〜。」
と、チョット得意気になってみた。


「うん。ヨロシク。」
マサはニコっと笑いながら言う。


「延泊、決定しちゃったよ。」


効果測定が受からなかった為、明日の仮免が受けられない。


次の仮免の試験は3日後だった。


なんで1日おきなんだろう?


毎日やってくれればいいのに。


「だから、ケイは俺らと一緒に卒業するんでしょ?」


マサはこの前の冗談を繰り返して言った。


「違うから。」
私は突っ込んだ。


そして、鉄板が温かくなったのを確認して、お好み焼きを焼き始めた。


水で溶いた小麦粉と山芋の香りがいい匂いだ。


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