虹の架かる橋
席に案内されると、これまたビックリした。



柔らかいソファーで、テーブルは自然に溶け込むような樹に、貝殻で飾られている。


水槽の中は、あくまで人間が作った海の中だが、その世界は私とマサ釘付けにした。


カラオケの店員さんに感謝だよ。


こんな素敵なお店を教えてくれて、ありがとう。


ソファーの座り心地が凄く良くて、私とマサは大満足だった。


私はマサに色々な事を質問した。


留学の事。


何故、日本に帰って免許を取ろうと思ったか。


過去の付き合った女の事。

NZとはどんな国か。


など、会話は絶えなかった。


門限の時間を気にしながら、最後に、キスの事にふれてみた。


どんな意味で私にキスしたのか、ずっと気になっていたから…。


「ねぇ、マサ?」
私は正面の水槽からマサに目を向けた。


「うん?」
マサも私の方に顔を向ける。


「聞いてもいい?」


「うん。」


私は、なかなか切り出せずに何て聞こうか迷っていた。



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