虹の架かる橋
「おはようのキス、あれってどうしてキスしたの?」


こんな事聞いたらウザイって解ってる。


でも、聞きたかった。


「したかったから…。」
マサは考えながら言った。

「そっか…。」
なんだか、それ以上聞けない。


私自身、欲しかった答えとは違っていて、チョット残念だった…。


やっぱり『好きだから』って言葉が聞きたかったよ。


でもそれは、私が良い方に想像してたから、勝手に期待して、勝手に残念がっているだけだ。


今、彼女が居ないと言う言葉は、マサは惚れにくい体質かもしれないし、私がタイプじゃないのかも…。


でも後者の方だったら悲しいな。


「ケイ、時間やばくね?」とマサが言った。


「ヤバい!」
時計を見ると、門限まであと20分を切っていた。


なんでいつもギリギリなんだぁ〜。
と思いながら急いで行動に移った。


会計を済まし、小走りで繁華街を駆け抜ける私とマサ。


なんだか気持ちは焦っているけど、自分自身の想像の中では、映画のワンシーンの様な気分でいた。



こんな事をユリに言ったら、かなりの妄想狂だね、って言われそう。


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