妖勾伝
神月にも、解ける事のなかった印。
それは長年に渡って躰に張り付き、神月を蝕み続けた。
ーーーあの、
印を解くとは…
この女、
ただ者ではないーーー
返り見るアヅはただ静かに神月に視線を置いたまま、その場に佇んでいる。
影に揺らめく、計り知れない大きな闇。
「……俺に、頼みとは?」
「永遠の闇ーーー
あての目的は、
ただ、
それだけ。」
二人の間に共通してあるのは、歪な闇。
暗くねじ曲がり蠢くその姿は、安らぎの形さえない。
「いいだろう……
その話し、
引き受けた。」
薄闇の中で明かされ始めるその闇は、嫌悪と不快感しか浮かばない。
レンは耳に残る厭な感覚を覚え、顔をしかめた。
「女は…ーー
アヅはその後、
何処へ?」
「アヅと初めて会ったのは、十年程前。
それ以来、
今の今まで、アヅに会ったことは無い…
ただ一つ、
その約束を交わしただけ。」
ぼんやりとレンの問いかけに答え、神月は深い溜め息をついた。
脳裏に焼き付く、アヅの姿を追うように。
ーーーその姿、
まるで……
それは長年に渡って躰に張り付き、神月を蝕み続けた。
ーーーあの、
印を解くとは…
この女、
ただ者ではないーーー
返り見るアヅはただ静かに神月に視線を置いたまま、その場に佇んでいる。
影に揺らめく、計り知れない大きな闇。
「……俺に、頼みとは?」
「永遠の闇ーーー
あての目的は、
ただ、
それだけ。」
二人の間に共通してあるのは、歪な闇。
暗くねじ曲がり蠢くその姿は、安らぎの形さえない。
「いいだろう……
その話し、
引き受けた。」
薄闇の中で明かされ始めるその闇は、嫌悪と不快感しか浮かばない。
レンは耳に残る厭な感覚を覚え、顔をしかめた。
「女は…ーー
アヅはその後、
何処へ?」
「アヅと初めて会ったのは、十年程前。
それ以来、
今の今まで、アヅに会ったことは無い…
ただ一つ、
その約束を交わしただけ。」
ぼんやりとレンの問いかけに答え、神月は深い溜め息をついた。
脳裏に焼き付く、アヅの姿を追うように。
ーーーその姿、
まるで……