月の恋


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学校をでて、
柚が連れてきてくれたのは、人混みと車で雑然とした駅前の大通りから、一歩入った閑静な住宅街の一角だった。




大通りから、それ程離れてはいないのに、別世界のように心地よい静けさだ。





「ここだよーっ」


柚が指さすのは、レトロな雰囲気のオシャレなカフェ。
ケーキ屋さんというから、ケーキのたくさん並んだ、キラキラしたガラスケースをイメージしていた私は、拍子抜けだった。



深い焦げ茶の木でできた外壁は、まるでおとぎ話の森のお家のようだ。



オレンジ色の照明に照らされた看板には
《waver》
と洒落た文字で書かれている。


たしか、
《ためらい》とか《迷い》って意味だったっけ?



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