変わり者同盟
なんで私が泣いてるのっ・・・・・・


「・・・・・・ひ、さの・・・?」

そっと、久流君の指が私の頬にふれ、涙をぬぐった。


「・・・・・・ッ・・・ごめんっ・・・私が、泣く場面じゃないのにっ・・・」


なんでだろう。
涙が止まらないんだよ・・・。

「久流君っ・・・ごめんねっ・・・・・・頼りなくてごめん・・・でも、でも・・・無理、しないでっ・・・・・・頼って・・・」


ボロボロ泣いてる奴が、何言ってるんだって話。

でも、それでも、言わずにいられなかった。


「久流君・・・・・・変わり者同盟、結んだじゃない・・・・・・支えてもらうばっかりじゃ、嫌だよっ・・・・・・私も、支えたいよっ・・・・・・

苦しいなら、苦しいって・・・言ってよ・・・辛いなら、辛いって、言ってよ・・・

私、精一杯頑張るから・・・・・・だから・・・支えさせてよっ・・・・・・」


久流君は、静かに私の言葉を聞いた後、唐突に私を抱きしめた。


っ!?

勿論のこと、私は驚きで固まった。涙も止まってしまったほどだ。


「・・・・・・比佐乃・・・」

耳元で聞こえる、かすれた声。


「・・・・・・・・・・・・ありがと・・・」

小さな小さな呟きは、少し震えていて。


「・・・俺・・・なんか、よく分かんないけど・・・

教師と生徒のかなりはた迷惑な恋の末生まれたとか、嫌で・・・

育ててくれた父さんと、何の繋がりもないとか・・・寂しくて・・・・・・」


ぎゅぅっと、私を抱きしめる腕の力が強まる。

私は、そっと久流君の背中に手を伸ばし、ぽんぽんと、久流君の背中を叩く。


「・・・・・・うん・・・辛い、よね・・・・・・」




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