親友ストラップ

「いやっ!・・・やめて!!」
「おい、暴れんなよ!」
とりまきたちが私の体を押さえ込む

あれは幼い日の記憶・・・・・

『梨佳ちゃんの髪とってもきれいね!』
これは近所のおばさん
『いいなー梨佳、髪きれいで』
これは友達
『梨佳はお母さんに似てきれいな髪なんだから、ちゃんと手入れしなきゃだめよ?』
これはお母さん

私の髪は小さい頃からずっとのばしている自慢の髪の毛なのだ・・・

「おい!ぼーっとしてんじゃねーよ!」

とりまきの声で我に返る
「ちょっとぉ、ちゃんと抑えといてよね!」
紺野美里亜の顔が近づいてくる
「動くんじゃないわよ?もし動いたら・・・わかってるわね?」
いや・・・
やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて
おねがいおねがいおねがいおねがいおねがい 

ガラッ
え?
「授業を始めるぞー」
先生だ!
「ちっ・・・」
とりまきたちが離れてゆく
「覚えとけよ」
紺野美里亜はそうささやいて自分の席に戻っていった・・・

よ、良かったぁ・・・

偶然とはいえいじめが中断して良かった・・・

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