お前のことが好きだから。

ガラララ

「「おはよー。」」

あたしと優里が教室に入るとクラスメイトの野沢未麻(ノザワ ミマ)ちゃんがバタバタと此方へ向かって来た。

「鈴ちゃん優里ちゃん。」

「何?どしたー?」

「体育祭の競技決めろーだってさ。」

「「体育祭?」」

「そう、体育祭。」

ん?待てよ、体育祭って秋じゃなかったっけ?今は5月だし…気が早過ぎじゃない?

「そうそう、今年から体育祭は春なったらしいよ。」

「へぇ、だからもう決めるんだね。」

「ところで体育祭はいつなんだ?」

「6月20日だって。」

今日は5月19日だから約1ヶ月後くらいかぁ。

「まぁ、体育祭が近いわけだからさ。先生にクラスメイトが希望している競技を聞いてこいって言われたの。」

ハァと溜め息を漏らしながら言う未麻ちゃん。

未麻ちゃんは学級委員だからね…。

お疲れ様です。

「ふーん、頑張れよ。俺は短距離走と綱引きがいいな。」

「あたしは…。」

うーん………何にしようか。

「じゃあ玉入れと障害物競争で。」

「オッケー、分かった二人共ありがとねー。」

ブンブンと手を降って未麻ちゃんはさっていった。

ハリケーンのようだった。

「それをいうなら嵐のようだった、だろ?」

「間違っちったー☆…って優里!」

「ん?なんだー?」

「ボソッもしかして心読んだ?」

あたしたち獣人(※)は人の心を読むことが出来る。

「…いや思いっきり声に出てたぞ。」

「えっ!?」

主人公の女の子がよくやっちゃう【声に出す】を自然とやってしまった。

む…無念。

(※)獣人=伝説の生き物。


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