お前のことが好きだから。

学校が見えてくるとなんだか校門の辺りが騒がしいのが分かった。

「何の騒ぎかな?」

「多分あれだろ。」

「あれって何?」

「見てみろ、あの女子の大群。」

そういって優里は指を指した。

うわお…。

「凄い人数だね……。」

「いや、そうじゃなくて。」



じゃあなんなの??

「あの女子たちをよーく見てみろ。」

よーく見てみろ…?

……あ。

「あの人たち全員河野或斗ファンクラブのリボンをつけてる!!」

校門にいる女の子たちは全員河野或斗ファンクラブの会員であることを示すリボンをどこかしらにつけていた。

「そう、ということは?」

「ということは…あの大群の中に河野或斗がいるってことか!」

「そう、正解。」

いや~河野或斗も大変だね、朝から。

学校の校門を通る時、河野或斗の顔が見えた。

む…無表情だと…!?

「さすが冷淡王子って感じだな。」

「そ…そうだね。」

昨日のことが考えられないくらいだわ。

昨日の河野或斗はあんなに表情豊かだったのに今の河野或斗は完全に“無”一色って感じ。

「笑ってた方が格好いいのに。」

「ん?どうした?鈴。」

「いや、なんでもない。」

あたしと優里は教室へ向かった。


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