恋の扉を開けて
η.彼の夢
平日私は会社を休んで専務に同行した。

HPに掲載する広告代理店との契約があり都内のホテルへ向かった。

先方は二人いて一人はイギリス人だった。

片言で日本語を話せた。

「どちらか英語は話せませんか?」

「ルリル、頼む。」

私は専務に同時通訳してあげた。

彼の役に立ち私の心は満たされた。

「本国でも秋葉のメイド・カフェはかなり知られています。弊社としてはカフェの雰囲気作りのお手伝いをさせていただければ幸いです。」

相手はアンティーク専門店で、価格面ではこちらが思うよりリーズナブルだった。

但し最小ロットが多すぎた。

店にとって広告収入が大きいことは先方も承知していた。

検討にしばらく時間をほしいという専務の言葉を私は先方に伝えた。

私たちは資料をまとめて席を立ち、後日連絡し合う約束を交わし握手をして別れた。

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