恋の扉を開けて
「聞いてもいいですか?」

「何を聞きたい?」

「お店のことです。」

「大方わかってるだろ、他に何を知りたい?」

「なぜメイド・カフェを始めたのかを知りたいんです。」

「元々事務所にしていたんだ。相棒と二人でスポーツコンサルタントをやっていたから。」

「だからマッチョなんですね!?」

「邪魔な筋肉は落としたつもりだが。」

「適度なマッチョです。」

「何を言い出すかと思えば。」

「その相棒の方はどうされたのですか?」

「彼は元々フリーのカメラマンで予告もなしにインドへ行ってしまった。」

「インドですか!?」

「いきなりだった。」

「今もインドですか?」

「行方知らずだ。たぶんロス辺りで大麻でもやってるんじゃないかな。」

「かなりワイルドな方なんですね!?」

「俺はマトモな方だ。」

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