恋の扉を開けて
「ここは一種のオアシスだ。いわゆる癒しの場。秋葉のこのロケーションだから客も多い。ここだからこの店が活きるんだ。わかる?俺の言いたいこと?」

「はい、わかります。なぜ私に声をかけたのですか?」

「君が俺の探していたイメージにピッタリだったからだ。小柄で細身だが俺にはわかった。着やせタイプだ。声もいい。顔は少し大人っぽいがメイクでどうとでもできる。君にウチのコスチュームを試着させたら今店にいるメイド達よりもはるかに俺の求めるファンタジーなメイドに仕上がるはずだ。」

「・・・・・」私はこの別世界に言葉を失った。

私は自分がメイド嬢になってこの店で客相手をするのを想像できなかった。

「ちょっと奥で試着してみないか?」

需要がある理由をわかっている分

反論もできず言われるまま店のコスチュームを試着した。

鏡に映った自分の姿に色を失った。

自分が怖かった。

「着られた?」

「はい、あの、それが。」

「ひゅ~ぅ!信じられない。」

彼は口元を片手で押さえて驚きを隠せないようだ。

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