Dear.



『真相を確かめてみるといいわ

その後でまたあなたの答えを聞くことにするわ。』



脳に響き渡る伊東様の声




嘘よ...総司が兄さんを殺したなんて




〝嘘じゃないよ慶。
本当は分かってるんだろう?〟



そんなはずない、嘘よ
伊東様の嘘...




〝なら、確かめてみればいいじゃないか〟



出来ない、だって彼にそんなの失礼じゃない
それに、今まで私を支えてくれたのは彼じゃない、まさか..だって、そんな事あるはずない。



〝それが出来るのが総司だよ
嘘をついて慶を騙して、挙句の果てには恋仲になってくれ?
恋仲なんかに、好きになったりしないよなぁ、慶

だって、俺をお前の兄を殺した奴を好きになるなんて、そんな俺を裏切るようなことを慶は、俺の妹はしないよなぁ〟



兄さんの声が私を試す



幻、幻聴、全て私が作り出してしまってると分かっていても、それでも何か憎しみが混じった感情が心の奥から湧き上がってくる



もし、本当に総司が兄さんを殺していたら...


兄さんを殺した手で私に触れているの?

その、嘘をついている口で私に恋仲になってくれなんていったの?



兄さんを殺したのに、私に笑顔なんて向けてるの?



それだけじゃない、新選組の皆は信じていた皆は、私に嘘をついているの?



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