∞妄想世界∞
「トーコさん……? 大丈夫?」

耳元で囁かれる不安げな声。

「だ。だい……じょぶ」

心臓と頭ん中は全然大丈夫じゃないけど。

「鍵、開いてないんすけど」

やっ、えっ……と。
開けてないもんっ。

「……」

きっとこの玄関のドアの向こうに大樹くんがいる。
このドアさえ開ければ。


会いたくて、会いたくて、会いたくて……
会うのが怖い人が。

ドアを挟んで、立ってる。
< 149 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop