都立白黒高校2年C組探偵団
「もう、帰るところだよ」

 裕一は怒り口調だった。

「今、きたところだから」

 と、和也は言った。

「あれ?」

 と、祥子の目の前を通りすぎ、校門を潜り抜けた人がいた。樹利奈だった。

「放課後に音楽室にいた子でしょ?」

 と、由紀も確認した。

「暗くて、よく見えなかったよ」

 と、裕一は言った。

「たぶんそうだ」

 和也は顔をはっきり見ていなかったが、由紀が言っていることは全て肯定する。
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