続・新撰組と妖狐ちゃん!
ベシッと土方の手にビンタを食らわし、
あたしは服の乱れを直し、
掴んでいた襟首をパッと離した。
そして、何となく、
昨日の夜の事を思い出したあたしは、
火照りそうになる顔を抑えるべく
頭をブンブンと横に振った←
「…何やってんだ?」
「…雑念を消し去ってる。」
(←おいw)
土方に、怪訝そうに見られているのは
気のせい気のせい←
あたしは雑念を消し終え、
ふぅ。と一息ついて、
土方に言った。
「火薬っつっても、花火とかの火薬じゃねぇ。武器の火薬や弾薬の匂いだ。
しかも、大量に。」
漂ってくる場所は遠いが、
此処に匂いが届くぐらいの大量の火薬が何処かで使われている。
あたしがそう言うと、
土方は少し真面目な顔になり、
それは、本当か?と聞いてきた。
「本当も何も、現在進行形で匂いが漂ってきてんだけど←」
あたしはクンクンと
襖の外の匂いを嗅いだ。
…心なしか、さっきよりも
火薬の匂いが強くなってる気がする。
あたしが顔をしかめると、
「…そうか?何も匂わねぇぞ。」
あたしと同じように匂いを嗅ぎ、
顔をしかめた。
…そうだった。
いつも鬼の形相をしてても
こいつは人間だよ←
まだ、普通の人間が嗅ぎとれるくらいの匂いの強さじゃないし。
「…あたしは鼻が効くからな。
信じるか信じないかはテメェ次第だが。
でも、これは間違いなく
武器の弾薬の匂いだぞ。」
あたしは真面目な顔をして言った。
すると、土方は暫く考え、
「監察方に調べてもらいたい所だが…
あいにく山崎も島田も、長州の偵察で留守にしてんだよなー…」
と、苦い顔をした。
そういえばこの間、
長州の動きが活発化してるって言ってたっけ。
なら、
「あたしが見に「ダメだ。」」
速攻で遮られたぁあああ!!!
「何でだよ、緊急事態だぞ。」
あたしがジトッと土方を睨むと、
土方ははぁ…と溜息をついた。
「今監察方が調べてんのに、
下手に動いて長州に気づかれたら
台無しだろ。」
…。
「…まぁ、山崎に対してはザマァ←、
って思うけど、島田さんがいるなら
台無しはマズイかもな←」
「…相変わらず、山崎に対しては
毒舌だなオイ。」
呆れる土方に、
あたしはふんっと鼻で笑った。
「それはお前にもだよ、早くこの匂いの原因突き止めさせろコノヤロー」
鼻がおかしくなりそう、
とあたしは顔をしかめた。
どんどんきつくなる火薬の匂いに、
嫌な予感しかしない。