クビガナイ。

神隠し


「ここ…登っていくの…?」

裏山の山頂へ伸びる坂道。
滅多に人が通らないため、外灯などなく、
舗装すらされていない。

両脇を木々で挟まれたその道は
真っ暗で先が見えなかった。

確かにこれは少し気が引ける。

「行こうぜ」

綾希と有衣が先頭、紫月とみゆをはさんで
私と隼人が後ろを歩いた。

そんなに高くない裏山。
15分くらいで頂上に着くだろう。

「山頂には公園しかないよぅ?」

泣きそうな声でみゆが言う。

「え?そうなの?
じゃあ来た意味ないじゃん。」

私がそう言った時、

「いや」

と紫月が口を挟んだ。

「公園の倉庫の裏には門があって、
その奥には道があるんだ。
小学校の時にみつけたけど門が高くて…
鍵もかかってたしね。
でも今ならこえられる高さだよ。」

なるほど…
あるとしたらその先なんだ…。

「もうすぐ公園…」

公園だけでも夜中だと不気味なのに
私達は墓地に行こうとしてるんだよね…

今になって少し後悔してしまった。
怖いな…

「有衣震えてる?」
「ここここ…怖いものは怖いのよ…っばかっ」

やっぱ有衣も怖いんだ…。

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