小指も抱けない彼女

「はあ、ともかくも、君に何もなくて良かったよ」

床に膝を立て、布団に垂れる。

「夜鞠くんは、心配し過ぎだよー」

俺の髪の毛を引っ張る彼女。愛らしい彼女を過保護なまで心配して何がいけないのか。

何かあってからでは、遅いんだ。

「じゃーん、小さいおじさんの都市伝説ー」

髪の毛に小さな結び目を作る彼女の笑顔に癒される。

「それ、寝ている内にした無意識の寝返りが髪に結び目作ったって説があるんだけどね」

「現実的な説だねー。前を見れば、有り得ないことがいっぱいなのに」

小指よりも小さな彼女。ちくちく結び目を作っていくこの現実。夢ではない、夢だとしても覚めないでほしい。

彼女と二人っきりでいる場面を終わらせたくないんだ。

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