小指も抱けない彼女
「じゃあ、次の策。お義母さんにでも聞いてみるか」
「一番安全な策だねー」
駄目もと前提でも、彼女を母に会わせたい気持ちはあった。
電話で声を聞いただけで、泣くほど恋しくなる母親。それを邪魔する気持ちーー嫉妬する気持ちはもうない。
母親と会ったあと、彼女はすぐに俺のもとに来てくれるだろうから。
「夜鞠くんは、私が食べられないように、ミーとランデブーしててね。ミーは飼い主に似て、夜鞠くんが大好きだから」
ぷくく、と笑う彼女。撫でようとすれば、俺のスマホが鳴った。
午後十時は過ぎた現在。誰とも分からぬ相手は、ご丁寧に非通知設定。訝りながらも、聖を肩に乗せ、通話に応じる。