シャッフル
――――――――――
――――――

「ご馳走様。また来るよ」

「うん。気を付けてね」

「ああ」

 そう言って玄関のドアノブに手を掛けたとき――

「遠也」

 ――呼び止められた。

「なに?」

 振り返ると、紗代里は思い詰めた顔をしている

「……ごめんなさい」

 呟く様に紗代里が謝った。

「なにが……?」

 意味が分からなくて、紗代里を見つめる。

 紗代里は目を伏せるとゆっくり顔を左右に振った。

「ううん……。何でもない……」

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