鉄の救世主Ⅳ(くろがねのメシアⅣ)
あの背中を追って
「っっ…!」

片腕で電線にぶら下がったまま、三浦が歯を食い縛る。

脇腹に走る痛み。

敦賀半島での作戦中に撃たれた傷が、まだ塞がりきっていないのだ。

眼下では、夥しい数のゾンビ達が腕を伸ばしている。

今にも落下しそうな三浦の足を摑んで、引き摺り下ろさんばかりだ。

「三浦っ!大丈夫かっ?」

建物の屋上から叫ぶマットの声に。

「…問題ないっ…」

三浦は痛みを堪えつつ、再び電線にしがみ付いた。

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