ダブル・ブレイカーズ01
V
<君は誰?>
さくらは少年に尋ねた。
<――――――――――――>
少年は無言で本を読む。
<聞いてる?>
<――――――――――――>
<あのね!>
<うるさいよ。七瀬さくら>
<君!>
さくらが言った。
その時、
<やっぱり>
と、如月彼方がお盆を持ちながら現れた。
<如月くん―――――――――!>
<あ、カナ!>
少年は彼方に言った。
<よっ!>
彼方も少年に言った。
<おやつの時間だね>
<元気だなぁ>
<補食も重要なものだよ?何?おやつは>
<バームクーヘン>
<紅茶?>
<アップルティー>
<よし、休む>
少年は文庫本を閉じた。
<――――――――――――>
さくらは二人のやり取りを見ているだけだった。
<あ>
さくらは気づいた。
彼方が持っていたお盆。
そこには、
三つのカップがあった。
彼方と自分と、
そして、この少年に。
<君は誰?>
さくらは少年に尋ねた。
<――――――――――――>
少年は無言で本を読む。
<聞いてる?>
<――――――――――――>
<あのね!>
<うるさいよ。七瀬さくら>
<君!>
さくらが言った。
その時、
<やっぱり>
と、如月彼方がお盆を持ちながら現れた。
<如月くん―――――――――!>
<あ、カナ!>
少年は彼方に言った。
<よっ!>
彼方も少年に言った。
<おやつの時間だね>
<元気だなぁ>
<補食も重要なものだよ?何?おやつは>
<バームクーヘン>
<紅茶?>
<アップルティー>
<よし、休む>
少年は文庫本を閉じた。
<――――――――――――>
さくらは二人のやり取りを見ているだけだった。
<あ>
さくらは気づいた。
彼方が持っていたお盆。
そこには、
三つのカップがあった。
彼方と自分と、
そして、この少年に。