ダブル・ブレイカーズ01
さくらは改めて、部屋を見た。


ゴシック調のカーテンで閉ざされた部屋。


<カーテンを開けるよ?>


<わかった>


彼方と少年はカーテンを閉める。


<――――――終わったな>


<おやつ>


<食べるよ。犬か>


彼方は少年につっこんだ。


しばらくして、


三人でバームクーヘンを食べていた。


<七瀬さん、美味しい?>


<かなり美味しい>


<ありがたき幸せ。改めて、オレは如月彼方!>


そして、


彼方は呟いた。



<こいつの自己紹介だ>



彼方は少年に言った。


<わかった>

少年は言った。


太陽の光が少年を照らす。


さくらは初めて、少年の姿を見た。


少年は――――――


とてつもないほど、美しい少年だった。
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